みなさんは温泉に入る時、脱衣場等に掲示してある「温泉分析書」をご覧になっているでしょうか?
肌を美しくする「美人の湯」、保温効果の 高い「熱の湯」など各温泉地によって泉質・効能は様々。
洞爺湖温泉の湯にはどういった成分が含有されていてどのような効能があるのか?
洞爺湖温泉の温泉分析表、温泉分析別表をご覧になってお確かめください。
尚、この分析書及び分析別表は新たに掘削されたKH-1源泉を含む11源泉の混合泉を、
平成27年2月に北海道立衛生研究所へ分析依頼し、作成された物です。



温 泉 分 析 書
1. 分析申請者 住所 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉78番地386
氏名 洞爺湖温泉利用協同組合
代表理事 若狭 洋市
2. 源泉名及び採水地 源泉名 洞爺湖温泉(源泉名 洞爺5・6・9・12・13号、共同1・2・4・5・6号、KH-1混合泉)
湧出地 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉78番地325
3. 湧出地における調査及び試験成績
(イ) 調査及び試験者 北海道立衛生研究所  内 野 栄 治
(ロ) 調査及び試験年月日 平成27年2月13日
(ハ) 泉温 50.3℃(気温: 3℃)
(ニ) 湧出量 1410 ※L/min( 混合 )
(ホ) 知覚的試験 微黄色濁、微炭酸味、無臭
(ヘ) pH値 6.7
(ト) 電気伝導率 0.45 S/m (25℃)
(チ) ラドン(Rn) Bq / s (   ci/s:   マツへ単位)
4. 試験室における試験成績
(イ) 試験者 北海道立衛生研究所  高 野 敬 志
(ロ) 分析終了年月日 平成27年3月2日
(ハ) 知覚的試験 微黄色濁、微炭酸味、無臭(採水後6時間)
(ニ) 密度 1.0008 g/cm3 (20/4℃)
(ホ) pH値 6.95
(ヘ) 蒸発残留物 2.915 g/kg ( 110℃ )
5. 試料1kg中の成分・分量および組成
(イ)陽イオン
成  分 ミリグラム ミリバル ミリバル%
水素イオン(H+)
ナトリウムイオン(Na+) 680.6 29.60 66.38
カリウムイオン(K+) 40.5 1.04 2.23
アンモニウムイオン(NH4+)
マグネシウムイオン(Mg2+) 44.2 3.64 8.16
カルシウムイオン(Ca2+) 203.8 10.17 22.81
アルミニウムイオン(AI+)
マンガンイオン(Mn2+) 1.7 0.06 0.13
鉄(U)イオン(Fe2+) 2.3 0.08 0.18
陽イオン計 973.1 44.59 100.
(ロ)陰イオン
成  分 ミリグラム ミリバル ミリバル%
ふっ化物イオン(F-) 0.3 0.02 0.04
塩化物イオン(Cl-) 1121. 31.62 69.86
水酸イオン(OH-)
硫化水素イオン(HS-) 0.0 0.00 0.00
チオ硫酸イオン(SO2-) 0.0 0.00 0.00
硫酸イオン(SO42-) 273.8 5.70 12.59
炭酸水素イオン(HCO3-) 481.6 7.89 17.43
炭酸イオン(CO32-) 0.2 0.01 0.02
りん酸イオン(HPO42-) 0.8 0.02 0.04
陰イオン計 1878. 45.26 100.
(ハ)遊離成分
非解離成分 ミリグラム ミリモル
メタけい酸(H2SiO3) 109.0 1.40
メタほう酸(HBO2) 63.9 1.46
非解離成分 ミリグラム ミリモル
メタ亜ひ酸(HAsO2) 0.4 0.00
        
173.3 2.86
溶存物質(ガス性のものを除く  3.024 g / s
溶存ガス成分 ミリグラム ミリモル
遊離二酸化炭素(CO2) 134.6 3.06
遊離硫化水素(H2S) 0.0 0.00
134.6 3.06
  成 分 総 計   3.159 g / s 
(ニ)その他微量成分 
アンモニウム:検出せず、アルミニウム:0.006r/s、銅:0.002r/s、鉛:検出せず。
亜鉛:0.006r/s、カドミウム:検出せず、総水銀:0.04ug/s、腐植質:検出せず。
6. 泉質
ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉(中性低張性高温泉
7. 禁忌症、適応症等     「温泉分析書別表」中5に記載する。


温泉分析書別表
1. 源 泉 名 洞爺湖温泉(洞爺5・6・9・12・13号、共同1・2・4・5・6号、KH-1混合泉)
2. 採水地 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉町78番地325
3. 源泉分析申請者 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉町78番地386
洞爺湖温泉利用協同組合
代表理事 若狭 洋市
4. 泉   質 ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉(中性低張性高温泉) (旧泉質名:含塩化土類−食塩泉)
5.1  禁忌症は次のとおりである。

 (1)温泉の一般的禁忌症(浴用)

  病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血などの身体衰弱の著しい場合、
  少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目にみえる
  出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期。

 (2)泉質別禁忌症(浴用)

  該当項目なし。

 (3)含有成分別禁忌症(飲用)

  この温泉は飲用に利用しない。

5.2  適応症は次のとおりである。

 (1)療養泉の一般的適応症(浴用)
 
  筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、
  捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、
  軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、自律神経不安定症、
  痔の痛み、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進。

 (2)泉質別適応症(浴用)

  きりきず、末梢循環傷害、冷え症、うつ状態、皮膚乾燥症。

 (3)泉質別適応症(飲用)

  この温泉は飲用に利用しない。

6  入浴又は飲用上の注意

 (1)浴用の方法及び注意 温泉の浴用は、下記の事項を守って行う必要がある。

 ア  入浴前の注意

 (ア) 食事の直前、直後及び飲酒後の入浴は避けること。酩酊状態での入浴は特に避けること。
 (イ) 過度の疲労時には身体を休めること。
 (ウ) 運動後30分程度の間は身体を休めること。
 (エ) 高齢者、子供及び身体の不自由な人は、1人での入浴を避けることが望ましいこと。
 (オ) 浴槽に入る前に、手足から掛け湯をして温度に慣らすとともに、身体を洗い流すこと。
 (カ) 入浴時、特に起床直後の入浴時などは脱水症状等にならないよう、あらかじめコップ1杯程度の水分を補給しておくこ     と。

 イ  入浴方法

 (ア) 入浴温度 高齢者、高血圧症若しくは心臓病の人又は脳卒中を経験した人は42℃以上の高温浴はさけること。
 (イ) 入浴形態 心肺機能の低下している人は、全身浴よりも半身浴又は部分浴が望ましいこと。
 (ウ) 入浴回数 入浴開始後数日間は、1日当たり1〜2回とし、慣れてきたら2〜3回まで増やしてもよいこと。
 (エ) 入浴時間 入浴温度により異なるが、1日当たり、初めは3〜10分程度とし、慣れてきたら15分〜20分程度まで延     長してもよいこと。

 ウ  入浴中の注意

 (ア) 運動浴を除き、一般に手足を軽く動かす程度にして静かに入浴すること。
 (イ) 浴槽から出る時は、立ちくらみを起こさないようにゆっくり出ること。
 (ウ) めまいが生じ、又は気分が不良になった時は、近くの人に助けを求めつつ、浴槽から頭を低い位置に保ってゆっくり      出て、横になって回復を待つこと。

 エ  入浴後の注意

 (ア) 身体に付着した温泉成分を洗い流さず、タオルで水分を拭き取り、着衣の上、保温及び30分程度の安静を心がける     こと(ただし、肌の弱い人は、刺激の強い泉質(例えば酸性泉や硫黄泉等)や必要に応じて塩素消毒等が行われて      いる場合には、温泉成分を温水で洗い流した方がよいこと。)
 (イ) 脱水症状を等を避けるため、コップ一杯程度の水分を補給すること。

 オ  湯あたり

     温泉療養開始後、おおむね3日〜1週間前後に、気分不快、不眠若しくは消化器症状等の湯あたり症状又は皮膚炎     などが現れることがある。このような状態が現れている間は、入浴を禁止するか、又は回数を減らし、このような状態     からの回復を待つこと。

 カ  その他

     浴槽水の清潔を保つため、浴槽にタオルは入れないこと。

 (2) 飲用の方法及び注意  この温泉は飲用に利用しない。

(注)  この別表は、温泉法第18条による掲示に必要な参考資料となるものである。
 平成27年3月2日                      登録分析機関 登録番号 北海道第1号
               
                                     北海道札幌市北区北19条西12丁目
                     
                                           北 海 道 立 衛 生 研 究 所