温泉の効能とは温度効果、水圧効果、浮力効果、薬理効果、精神効果の５つに大別されます。ここでは各効果についてのご説明をいたします。

高温浴（水温４２℃以上）では血圧、脈拍、体温が急激に上昇し、交感神経を刺激します。このため低血圧の方や気分をリフレッシュさせたいときなどは効果的です。 微温浴（水温３７〜３９℃）では血圧、脈拍、体温に変化が見られますが副交感神経を刺激する為、精神的にリラックスした状態になります。おやすみ前やストレスから開放されたいときなどに効果的です。 湯冷めしないように体を芯から温める場合、温度の高いお湯に短時間浸かるよりも、ぬるめのお湯にじっくり浸かった方が効果的です。

人間の体は水中に浸かると水圧により血管が圧迫され、通常時の約１．５倍心臓内の血液が増加します。また、横隔膜が押し上げられ肺の容量も１リットル程度少なくなる為に呼吸数が増加します。このことから心肺機能は強化されますが、心臓や肺に障害を持つ人にとっては負担が大きい為避けるべきです。心臓や肺に負担をかけないで入浴するには半身浴や寝湯による入浴法が良いとされています。

水中では人間の体は浮力を受けて軽くなります。温泉は水より比重が大きい為、浮力も水より大きくなります。このため水中では体にかかる負担も少なくなり、運動機能障害を持つ方やお年寄りでも無理なく運動が出来ます。これに先述した温度効果、水圧効果を加えることにより新陳代謝を活発にし、健康の増進につながるわけです。

入浴により温泉に含まれる成分の経皮吸収や殺菌効果、また飲用や吸飲による摂取により病の治療効果を高めたり、免疫力を高めます。温泉地の泉質によって効果は様々です。各温泉地で脱衣場等に掲示してある温泉分析書をご覧ください。

山間部の温泉では川のせせらぎや森の香り、海辺の温泉では潮騒や磯の香りなど温泉地に出かけることにより日常と違った環境に身を投じることで得られるリラクゼーションも温泉の効果の一つです。温泉地特有の環境も温泉の醍醐味といえるでしょう。